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オスカー・ワイルドとパラレリズム [文法・語法]

先日、医学部を目指して浪人中の元生徒さんに会ってきました。
そのとき「対比で読む」のがうまくできないという話が出ました。
対比とはparallelism, parallel structureと呼ばれるもので、対比で読むとは、そのような文章構成の型(部分的にはほぼルール)を内容理解の手がかりにするということです。
Parallelism (rhetoric) - Wikipedia
Parallelism (grammar) - Wikipedia

このときの生徒さんの質問に対しては、それはすごく大事だけれど、通常説明を聞いたとき思うほどスパッときれいにわかるとはかぎらないから、結局一生懸命考えることになるのが実際ではないかと答えました。

例えば、このような出題があります。
ある段落にjuvenile-onset diabetesということばがあらわれ、つぎの段落にmature-onset diabetesがあらわれます
そして、juvenileのほうに下線が引いてあって、この単語がどういう意味か問われます。
これは「juvenileの意味を覚えていますか?」と聞いているのではなくて、「matureとの平行関係を見つけられますか? matureの意味なら知っているでしょう?」ということで、それに気づけば悩むことなく正解が得られます。
でも、matureもわからないとしたら?
そのときは糖尿病に1型と2型があると知っていれば、その常識が役に立ちます。
さらに、diabetes=糖尿病もわからないとしたら?
そのときは、2つの段落は全体としても平行関係になっているはずですから、ひとつひとつの要素を突き合わせていくことで手がかりを探し、それを元に推理を重ねて行けば、やれるだけのことはやったことになります。

こういう問題が出たときは、その都度パラレリズムという用語に言及するよう努めてきたつもりでした。
けれども、この生徒さんからあらためて質問されたということは、まだまだ十分ではなかったということでしょう。

First come, first served.
(先着順に対応される)
Last hired, first fired.
(後に雇用されたものから先に解雇される)
One for all, all for one.
(一人はみんなのために、みんなは一人のために)
eye for eye, tooth for tooth
(目には目を、歯には歯を)
Veni, vidi, vici (I came, I saw, I conquered).
(来た、見た、勝った—カエサル)
of the people, by the people, for the people
(人民の、人民による、人民のための—リンカーン)
できればこうしたわかりやすい例からはじめて複雑な例までたくさん並べてみたいところですが、よい例を集めるのが骨です。

たまたまオスカー・ワイルドの名言のリストを見たところ、短く、インパクトのある例が大量にありました。
オスカー・ワイルドの英語の名言・格言集。英文と和訳 | 癒しツアー
オスカー・ワイルド名言まとめ(日本語、英語) - e-StoryPost
オスカー・ワイルドの名言(英語&日本語) | 名言+Quotes
偉人 オスカー・ワイルド 名言集(英訳付)|心の常備薬

このなかからパラレリズムを探す練習をしてみるといいのではないでしょうか。
印象に残る例があれば、つぎにパラレリズムに出会ったときに気づくきっかけになるでしょう。

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